外国為替市場での取引について

外国為替市場の動きや特徴、さらにどのような行動がされているのか、初心者は知っておきましょう。

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為替取引は大きく4つ、その中でも実需に関するものと投機的なものに分けられます。

外国為替取引は大きく四つ

外国為替市場でおこなわれる取引は、大きく分けると4つあります。それらの特徴、理由などを見ていきましょう。

1.資本取引

資本取引とは、海外の株や債券を購入するための為替のやりとりです。実際に株や債権という実体のあるものを買うためのものなので『実需』とされます。

外国債券や外国株を購入する主体は、企業と個人ですが、特に機関投資家といわれる企業の割合が多くなっています。日本の金利はここ最近ずっと低いため、外国債券などへの投資を積極的に進めている企業が多くなっています。もちろん債権だけではなく、ブームになった中国株やインド株など、外国株に投資する人も増えています。

もちろん、日本から出て行くだけではなく、外国資本が日本の株などを購入することも多くなっています。東京株式市場の株式の外国人保有比率もかなり高く、相場の動きは外国人投資家の動向に大きく左右されます。

資本取引の動向の特徴は、ファンダメンタルの変化に非常に敏感であることです。景気の動向などに非常に敏感で、基本的には実際の景気よりも半年から1年ほど前にその景気を先読みして動くといわれています。

2.経常取引

実際のモノやサービスの輸出入のための為替のやりとりが経常取引です。モノやサービスという実体のあるものを買うための取引なので『実需』です。自動車や電化製品など『モノ』だけではなく、保険商品や海外旅行などの『サービス』も経常取引に含まれます。

経常取引というのは実は外国為替市場の中での割合は少ないのですが、影響力はかなり大きくなっています。その理由は『一方通行』だからです。たとえば、FXなどの投資であれば、一度ドルを買ったらいつかはそれを円に戻します。1日の間に何度も売り買いを繰り返すことも多く、その場合、取引量は多くても相場への影響は限定的です。

しかし、経常取引であれば売るにせよ買うにせよ、その取引は一回切りです。アメリカに自動車を輸出する場合は売って終わり、輸入する場合は買って終わりです。

経常取引のもう一つの特徴は、継続的におこなわれるということです。例えば日本の自動車メーカーは、継続的に海外に自動車を輸出しています。その場合、その代金を年度末に一気に為替取引するなどということはせず、毎日継続的に取引するのが普通です。1年後に円高になりそうだからといっても、誰も1年間海外旅行しないという状況にはならないのです。

3.投機取引

モノやサービス、株などの裏付けがない為替取引です。為替が上がったり下がったりすることを利用して収益を得ようというものです。外国為替市場のかなりの部分を占めます。

主体となるのはは、インターバンク市場で取引をする銀行のディーラー、そしてFXで取引をする個人投資家です。

投機取引は非常に量が大きいのですが、短期での取引が多いため、また売ったら買い、買ったら売るという双方向の動きをするために、相場のトレンドをつくる力はそれほどありません。

4.政府・中央銀行の市場介入

上記の民間部門の為替取引に加え、大きく影響を与えるのが政府や中央銀行の『市場介入』です。市場介入自体が為替レートに影響を与えるためにおこなうものなので、為替市場への影響はかなりあります。

特に日本は、輸出で成り立っている国のため、急に円高が進むと日本経済にとっては大きな打撃になります。そのため他の先進国などと比べても市場介入の量も・回数も非常に多くなっています。

中央銀行による市場介入は、1回の取引金額が大きいときで数十億ドルにもなります。それ自体の影響力に加え、その動きに投機取引参加者などが追従するためにより大きな波となることが多いのです。